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vol.32 CRANK IN!

Jan 2004

年末の『ブラックジャック スペシャル』は、ひさしぶりのテレビ仕事だった-っ。 そもそもは、ぼくが実写『BJ』をやろうと考えているところに読売テレビの名プロ デューサーSさん(『犬夜叉』『名探偵コナン』)からアニメのスペシャルをやりた い、と話が持ち込まれ、なんだかスルスルと監督することになってしまった、という いきさつ。
今回は職人に徹しようと想いましたね。
「手塚眞の作品」ではなく、あくまで手塚治虫原作のテレビアニメ化。
だから最近のぼくの映画を観慣れた眼(あるのかい、そんなの?)には、ちょっと異 質に映ったカモ。
ちょっと懐かしい、かつての虫プロの手塚アニメを彷彿させる、上品なものにしよう と。
肝心の手術場面がない、と不満の向きもあるかと想いましたが、「極力、血を見せな い」という演出に徹しました。
夕食時に血がドバッ、というアニメをテレビで見せるほど手塚プロが悪趣味では困り ます。(お茶の子博士じゃないんだから)
原作と比較してどうこう、ということじゃなく、そこは割り切って原作を知らない人 でも(家族そろって)気軽に楽しめるものを目指したかった。
手塚治虫本人が『鉄腕アトム』を初めてテレビアニメにしたとき、やはり「原作と違 う」「イメージが壊れる」「質が悪い」「造りが粗い」と散々に言われたモノです ヨ。
最大のテーマは、様々な条件の中で『ブラックジャック』がテレビアニメ(ただのア ニメじゃなく)になるのか、という試み。
そういう意味でもっとも嬉しかった感想は「漫画の『ブラックジャック』は怖くて嫌 だ、といっていた小さい子供が熱心にアニメを観て、それから自分で原作の漫画を 買って読んでいた」んだって。
それだけで、やった甲斐があったな、と。
もしとても熱心なTZKマニアがいるならば、オープニングの短いシークエンスがか ろうじてTZKぽい、と匂うかも。
そこは自分でコンテ切ったから・・・

さて、
新年明けて、いよいよ新作長編映画がクランク・インしました!
4年前に企画してから、長かった~っ。
もっと早くにこれはやれると想っていたのに。
途中、もうダメかと何度も何度も想いながら、密かにずっとこだわり続けた企画。
やっと辿り着けた、という感じ。
いつもそうなのだけど、眼の前に俳優が衣装とメイクを済ませて立ち、4年前から頭 に浮かび続けたイメージを現出させる瞬間は、不思議な快感に襲われる。
とはいえ今回は(も)自分らしくなく。
これまでのTZK映画のファンを裏切りつつ。
またひと味違うノリを自分で期待している。
心の中から、心の外へ。
個の世界から、関係性の宇宙へ。

今日はまだ撮影2日目で、余裕あるのでコレ書いてます。
これから1か月、走ります!
タイトルは『SYNCHRONICITY』。


ロケハン中に見つけた空のオブジェ。

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