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vol.31 HE 'S ALWAYS MAKIN ' MOVIES
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Nov 2003
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1)
なかなか更新が遅くてスミマセン・・・
でも、やっぱり創るのに追われて忙しい時はしょうがない。
エッセイをダラダラ書いている時は、つまり暇もあるってことなんです(言い訳)。
いまは個人的に、絶好調の忙しさ。
年末のアニメ『ブラック・ジャック』は主題曲がB 'Zに決まり、いよいよ大詰め。
オープニングはTZKっぽいか、な?
『ブラック・キス』の方はスタッフやキャストとのミーティングが連日あって、気忙しいのだけど、
この落ち着かなさが「ああ、いよいよ映画製作に突入した」っていう実感で、いいんだよね。
(「なんか、ひとりで嬉しそうですね」とスタッフに言われている)
今回は脚本・監督だけではなくプロデューサーも兼ねているので、たくさんのヒトに会って、
ひたすらしゃべりまくってます。
こういう時は、行動が妙に大胆になるわたし。毎日、誰か新しいヒトに出会っている。
大森一樹さんとやってる映画プロジェクトも平行するようにミーティング重ねて、
ストーリーも見えてきたので、これもホント楽しみです。
サントラ頼みたいなあ、と想っていた音楽家の方に、偶然!渋谷でバッタリ遭遇。こういうことって、あるよねー。
あとは、未来の話になっちゃうけど、どうしてもやりたい『SPh』
のセルフリメイク、というよりリ・イマジネーション化・・・
少しずつ、内容と製作システムのイメージ固めているところ。
そんな3本先の映画のことまで考えていて、大丈夫だろうか。
その一方で、パルコに頼まれているオブジェ製作に絡めて、短編実験映画
(本気か?)を作りつつ、DWANGOの新しいCMの企画も練っている最中で、
これも年内に創るの?
謎のキーワードばかりでサッパリわからないって?
いいんです、イロイロ創ってる ってことさえ説明できれば・・・
JOHN FOXXのいきなり出た新譜『DRIVE EP』にはズバリ
「MAKING MOVIE」って曲があるし・・・ ク~~~!
2)
ところでこの秋は、映画らしい映画を立て続けに観たな。
というのは、つまり生演奏付のサイレント映画なんですが。
やっぱり映画はサイレントだよね、生だよね。
トーキーなんて邪道!(笑)
まずはめちゃくちゃリスペクトしているカール・ドライヤーの全作品上映!!!という信じられない涙モノ企画。
しかも『裁かるるジャンヌ』のニュープリントは、限りなくオリジナルの形を再現した日本初公開。
これはもう映画の至宝。到達点。
シンプルで、無駄がなくて、ミニマリズム。
こんな映画が撮れるなら、もう何もいらないってほどの(ぼくにとっては)傑作。
朝日ホールでの終映後の観客の拍手は、ひさしぶりに凄かった。震えた。
帰りのエレベーターに乗り合わせた青年が「映画っていいですね…」
とうるうる眼でポツリと呟いた台詞が忘れられない。
次は『コヤニスカッティ』の、フィリップ・グラスの生演奏付特別上映。
これもミニマル・アート。
そしてこれも贅沢。
だって、フィリップ・グラス本人のアンサンブルなのだから。
たしかこの映画、20年前に上映された時は褒めるヒト少なかったけど、時が傑作に仕立て上げたのか? 大入りの満員。
その時も今度も、パンフレットにコメントを寄せているヴィジュアリストのわたし・・
20年前から、ミニマル・アートが好きだったんですね。
しかし映画は贅沢に観るのがサイコー。
極め付け「KYOTO映像フェスタ」で行った衣笠貞之助監督の『狂った一頁』の、
テルミン生演奏(TZKの解説のオマケあり)上映。作曲、構成は赤城“TEO”忠治氏。
日本の誇る前衛無声映画とテルミンの組み合わせなんて、他のどこでも観られない。
このイベントのために、前後しばらく衣笠監督にハマっていました。
亀山市歴史博物館で行われていた監督の企画展にも行ったし。(遠かった…)
もちろん、監督のお墓参りもしたよ。(ThankU,CoCo)
3)
人の出会いってフシギだけど、意味が深い。
たった2年間で人生の忘れられない人になってしまった、かのヒトのことをふっと想い出したのは、
最近新たに出会った、やはりこの先忘れられそうもない人のことを考えていたとき。
もう一生出会わないと想っているかのヒトと、偶然、道で擦れ違ったら何とすべきか・・・
なんてぼんやり考えながら歩いていたら、本当に、幻でなく、
紛れもないその「ヒト」と、店の入口で擦れ違ってしまった。
さすがのぼくも驚愕して、何も言えぬまま、通りすぎてしまった。
まるで映画のような出来事だった。
そういえば、高校の映画研究部の同窓会があったん。
あぁ処女8ミリ『FANTASTIC★PARTY』の同志よ!
吸血鬼役だった笹平(利重)剛は変わっていない。そういえば『HIGH-SCHOOL-TERROR』のときもオバケ役だったか。
『白痴』の浅野クンのように首を吊っていたヒロインの山本奈津子は当時よりほっそりしたけど、
やはりきれいである。(ロマンポルノに出ていた山本奈津子は同姓同名の別人デス、念のため)
欠席だった小中和哉は『ASTROBOY鉄腕アトム』監督で多忙を極め、
スタッフだった久保田朋子は東宝東和の宣伝部でずっと頑張っているし、
先輩の寺田敏雄さんは今や押しも押されぬ実力脚本家になられている。
皆、あそこにいて、今も、ここにいる。
当たり前のことが、なぜかフシギ。
時間て、なんなのだろう。
出会いって、どういうことか。
逢うべきヒトには、必ず出会える。
「アタシを探して会いにきてくれてありがとう」
と、その人が言った。
でも、初めて会ったと想えない・・・
アリャ、忙しいなんて言いながら、今日はけっこう書いちゃった。
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