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Essay:Dial M

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vol.23 EMERALD

Mar 2003
OKINAWA

ひさしぶりに行きました、オキナワ。
パナリの中江さん(監督)に呼ばれて行って以来だなあ。
そのときは中江裕司さん、巻上公一さん、岡野玲子というフシギな顔合わせ。
中江さんは琉球大映研の出身で、当時ぼくがお邪魔した際に、8ミリ映画(『HIG H-SCHOOL-TERROR』)をかけながら脅かしたら、悲鳴を上げてしまっ たことがある。それ以来の付き合いという感じ?
中江さんも、いまや世界的な監督になってしまった。
彼は実は京都の生まれで、ぜんぜんナイチャーではない。
だけどナイチャーよりもオキナワに詳しいのだな。
彼に連れてってもらった食堂は全部美味だったですよ。
本島だったけど。
今回訪れたのは石垣と宮古。
実はぼく、島好きなんデス。
宮古の海は、きれいだ・にゃあー。
もおこの世ではないですよ、あの海の色。
とはいえ、まだ寒いので海には入らず、もっぱら土の中に入ってました。
意外と鍾乳洞があるのですよ。
まだ荒らされていないから、そのへんに露出している岩肌にも化石がいっぱい。
できればこのまま、いたずらに観光化しすぎないでいて欲しいなー。
オキナワはなんといっても食べ物がウマイ。身体にも良い。
トロトロになったテビチ(豚足)とか、もぉたまりません。
泡盛の古酒でこれをつまむ。
うー、それだけのために行きたくなっちゃう。
豚もね、こっち(TOKYO)よりも断然ウマイ。
同じように料理していても、やっぱり違うのだなあ。
水や空気が違うからね。
私ら敏感だから、東京に帰ってきたら、さっそく肌は荒れる、体調は崩れる。
身体は正直だ。
東京は酷いよね、空気も水も。
でもまあ、離れられないけど。


いーい感じのソバ屋

今回、いちばんの想ひ出は、オオコウモリを目撃できたこと。
日本で唯一、オオコウモリが生息しているのですよ。
市街を車走らせていたら、夕暮れの紫色の空をバックに、真っ黒で大きな影がバタバ タッと飛び過ぎていった。
ほんの数秒の出来事。
鳥じゃなかったですよ。羽の形が違うもの。
オオコウモリの飛び方よく知ってる。部屋で飛ばせていたからね。
なんだかフシギな、この世のようでこの世でない。
こちらとあちらの境目のような瞬間でした。
たぶん、一生忘れない光景。
あの紫の空と、黒い大きな影。

MOOMIN

ムーミンのフィギュアがあったので、つい買ってしまった。
小さなフィギュアって始末に困るんですよね。
チョコエッグの動物とか。
コウモリを出そうとして結構買ってしまった。
当然、同じものが増え続けることもある。
はじめは机の上にチョンと置いておくのだけど、次第に増えてくると、あちらこちら の棚に載りはじめ、気がつくと家の至るところに侵出していて、掃除にも困ってしま う。
最近、仕事でディズニーのフィギュア・コレクターのお宅にお邪魔いたしましたが、 もーそれはスゴかった。何万個あるかご本人もわからないという。人が暮らす面積よ り、フィギュアの置かれている部分の方が広い。
ご本人も「苦しめられてます」と語っておりました。
ワタシも元来のフィギュア好き、というよりフィギュア歴30年以上ですよ。
実はオタクなのだ。オタクなんて言葉なかったけど。マニアか。それ、もっとヤバイ 単語。昔だったらブリテンの動物フィギュアとか。いまでもたくさん家にあるよ。
玩具菓子は、安いというのがクセモノだね。これが数千円してれば、もうそこで躊躇 するでしょ。2~300円と想うから手を出してしまう。
しかもぼくはチュウチョしない。
これはと想うフィギュアは、値が張ってもつい手に入れてしまう。
散財ですよ。
よく奥方に「またオモチャなんか買って!」と怒られるのです。
あー、なんのハナシだっけ?
そうそう、ムーミンのフィギュアがね、売られてて。
さすがに玩具菓子ではない、それなりの値段。
これがまた、マニア泣かせというか、フィリフヨンカとかモランのフィギュアがあ る。
うひょ~、フィリフヨンカはぼくが一番フェバなキャラでないか。
どうせなら、ロッドユール(スニフのお父さん)とか、トフスラン、ビフスランあた りもラインナップに入れて欲しい。
なんて、コレ集めだしたらキリないですね。
やめて欲しい、デモ出して欲しい。
そんなにワタシ、ムーミン好きだったんです。
子供の頃、映画監督になれないなら絵本作家になろうと本気で考えてましたもの。
ムーミンみたいな話、よく考えてましたよ。
でも発想がどうしても映画的になってしまうので、潔くあきらめましたん。

サテ今月の衝撃は、天才(ヘンタイ)ギター奏者ケネディが弾く弦楽版ドアーズ・ベ ストアルバム。ドアーズがこんなに耽美な弦楽曲になるなんて。
『ハートに火をつけて』は、やられましたー。
そして最近のお気に入りシネマは『ストーカー』。
ぼくはタルコフスキーの同名映画のハリウッド・リメイクかと想ったんだけど、違う のね。ロビン・ウィリアムスがことのほか良かった。ぜんぜん今までのイメージなく て。
いい性格俳優になってくれたって感じ。
マーク・ロマネクって同世代の監督で、マドンナなんかのクリップで有名。
MTV出身ということでキューブリック風のスタイリッシュな映像はお約束って感じ だけど、全体の色合いとか、ずいぶんと抑制がきいていて個人的に好みでした。
監督の次回作楽しみ、って感じです。
いま密かに計画しているのは、ひと月にどれだけ劇場で映画を観られるか、という挑 戦。はたして上映作すべてをひと月で観ることは可能か?
なに無謀なこといってんですかこの超いそがしいこんな時期に! ってマネージャー に怒られそうだけど…。
4月になったら(こっそり)やってみようかな。


これはほんものイラブー(ウミヘビ)

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