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vol.35 UZME

Aug 2004

すいませ~ん。
すっかり更新を怠ってしまいまして…
便りのないのは良い便り、ということでお見逃しを。
新しいプロジェクトがスタートしました。
その名も
『UZME』。

え、『ブラック・ジャック』じゃないんですか。
新作映画はどうなったんですか。
という質問が多々おありと思いますが、まあここはいつものTZKらしく、カケモチと想ってください。
UZMEとは、天宇受売命のことです。
ホラ、日本神話に登場しますでしょ、天岩戸の前で踊ったという。
つまり日本におけるパフォーマンス・ダンサーの1号ということで、 その天宇受売命にちなんだパフォーマンスが行われるのです。来年の9月、名古屋です。
愛知万博会場でも行う予定。
その構成と演出をやります。
まずは下調べを兼ねて天宇受売命さんにご挨拶。
ということで九州は高千穂へやってきました。
(今夏は熊本に2回も来てしまった。最初はトンカラリン巡り。しかも飛行機に乗り遅れ、足止めを食う。熊本に引き止められているように)

ここには天岩戸神社があります。
社殿の奥に、天岩戸を奉っています。
社務所に頼むと見せてくれる。
神話の舞台だからそんなもの現実にないよ、と思うでしょ?
あるんですよ、ホンモノの天岩戸が。
興味あるなら、行ってご覧なさい。
とても美しい場所なのですよ。
そしてね、天宇受売命が踊ったとされる場所まで、特定できる。
ちょっと山間の、地元のヒトでも知る人ぞ知るという場所。
「ここです」ってトコロに、ささやかな碑を立ててある… のですが、 ちょうど道路工事をしていまして、それが完成した暁には立派な碑になる… 予定なのだそうです。
もしかしたら、そこを訪れた業界人としては初かもしれない。
だって神社の宮司さんすら、その場所がわからなかったくらいだから。
神話に限らず、歴史には虚と実が混ざり合う。
史実はともかくとして、物語ということではそれでいいと想います。 歴史も時間も超えたところで本質は表現される。
だから実際に天宇受売命というヒトがいたかどうかは、問題ではない。
大事なことは、アマテラスという“光”が不実な行いを憂えて隠れてしまい、 世界が暗くなってしまった。それを元に戻すために、素晴らしい舞と楽しい宴を開いたということ。
戦いや葛藤ではなく、明るくポジティブな行為が世界に光を取り戻すのだというハナシ。
そんな意識がいま必要だと想ったんですよ。
だからこのプロジェクトをやる意味がある、と理解したんですね。
そこでTZKのUZME。
来月にはNYに行きます。
天にそびえる二本の柱、神と通じる道のカタチ、それを心ない者たちが崩してしまった、その場所へ。

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