魔の1週間の始まり
撮休。
といいつつもやることは山積みである。翌日からの撮影は、銀河の誕生パーティー。
銀河のクライマックスシーンである。昨日と同じ銀河のプライベートルームのセット
を使っての撮影だが、パーティー用に飾り換えをしなければならない。
美術部・装飾部・演出部は出勤。装飾部の尾関龍生さん指揮の元、次々と豪華な飾り
が運び込まれる。
巨大な作り物の誕生ケーキ、奇妙な壁飾り、ソファー、仕掛けもののワゴン。
手塚監督が一つ一つチェックをしながら並べられていく。
そして、この日からの最大の難関はキャストの数である。
パーティーシーンで40人近く、その後のTV局のシーンに至っては50人以上のキャスト
を、メディアステーション風の凝ったメイク・衣裳姿で作らなければならない。
メイク部は桐生市から来ていたボランティアメイク応援に加え、プロのメイク応援を
5人近く呼び寄せた。
それでも、予想メイク時間は5〜7時間に及ぶ。製作部は撮影所に近いホテルを探し
だし、予約を入れる。
朝一番手のキャストやメイクさんは始発の電車でも間に合わないからだ。
さらに、これから1週間分の俳優部の予定、のべ200近い数を、連絡しなければならな
い。
これは、演技事務の佐野あずみ指揮の元、十字軍・演出部担当の中根克・中池浩之両
名がつきっきりで電話をかける。
更に、時間差で来る俳優部の支度セット入りを撮影を待たせずスムースに行い、監督
の演出のために1分でも多くの時間を作り出すため、演技事務・キャスティングプロ
デューサー・演出部・十字軍が一体となって、“俳優部迎え入れ大作戦”が練られた。
そして撮影日数。内容的にも14日くらいかかる分量を、俳優の支度にこれだけの時間
をかけていたら20日くらいかかってしまう。
それを、正味7日間で撮影しなければならない。
映画「白痴」最大の難関、『魔
の1週間』が始まろうとしていた。
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