朝起きたら雨だった
『きのこ会館』でのリハーサル風景
05:20 | 早朝撮影班出発 |
06:00 | S#13未亡人の家の外観 撮影(雨のため中止) |
午前中 | セッティング 美術・装飾・照明部 |
12:15 | S#76&98メディアステーション・ランチルーム リハーサル |
18:00 | S#59街路 撮影(雨のため中止) |
朝起きたら雨だった。
しかも3日間降り続く予定。屋外のシーンばかりの撮影によりによって…。
未亡人の家の外観は新潟と同じ、直射が当たらない条件で撮影しなければな
らない。
一般道に巨大なシルクテントを張れ、という無謀なアイデアも出されたが、
結局、日の出前の時間帯を狙っての撮影予定。
そのための早起きだったが雨では撮影が出来ない。せっかく早起きしたのに
、明日も早起きしたくない。
「現場に着くまでにやまないかな〜」という楽観的というか、すがるような
気持ちで、撮影班は雨の中、桐生市内へ出かけていった。
しかし、雨はやまない。翌朝出直すことにして、中止。
午前中は巨大なホールで、撮影のセッティング。照明部は巨大な蛍光灯ライ
トを部屋の壁にぐるりと配置。
美術部は壁一面のガラス窓を、白色のパネルで覆い隠す。このパネル(サン
プライ)はこの後の撮影で、困ったときに登場する美術部の隠し兵器として
使われた。
午後になっても一向に雨のやむ気配がない。雨の場合夜の撮影は中止になる。
ぎりぎり日没まで待って、天候判断しようとするが、突然照明部から「今日
、夕方判断にすると明日の分のライトが今準備できない」と言われる。
雨の勢いはますます強くなり、お昼の時点で夜の『街路』のシーンの撮影を
中止する。
急遽、桐生に向かうため東京駅まで来ていた、草刈正雄さんと甲田益也子さ
んに中止を伝え、2日後に来てもらうことにする。
そして、突然の監督の内緒話。「新潟で撮影予定のシーンを桐生で撮影して
もいいんだけど…」。
確かに、新潟での撮影分量が多いため、そのシーンを台本から削ろうと提案
はしていたが、そういう手で切り返してくるとは…。
急いで、製作部の中村氏と準備の根回しにかけずり回る。なんだかふりまわ
されっぱなし。
お昼過ぎには翌日の撮影に備えてリハーサル。S#76&98は、同じ場所での撮
影だが7ぺージのせりふ芝居のくだり。
しかし監督は1日で撮りきると断言!。TVプロデューサー野村役の荒井紀
人さんは、3ページ近い長台詞をしゃべり続ける。
それを聞いている浅野さんは、ひたすら表情の芝居。それを2台のカメラで
一気に撮影する。
そのために舞台稽古のような、通し芝居のリハーサルが長々と行われる。巨
大なホールでの撮影なのだが、2人の俳優は、細長い中空の通路での座り芝居。
広々とした空間の一角にある狭い廊下に、沢山の機材と大勢のスタッフがぎ
ゅうぎゅう詰め。
監督の“囁き演出”を聞き取ろうと、更に押し合いへし合い。一方その裏で
は、急遽監督の言い出したシーンの撮影の可能性を、各パートと打ち合わせ。
しかし、あちらが肯けば、こちらが首を振る。撮影の準備は何とか出来るが
、撮影自体は相当大がかりになり、その準備と片づけで、膨大な時間をとら
れることが判り、翌朝監督に「ごめんなさい」と伝える。
そして、「ここで撮影しない代わりに、新潟では優先的に撮影する」と言わ
されてしまった。
長い間、まとまった休みもなくぶっ続けでの撮影をしていたため、夜の撮影
中止を聞いて、スタッフキャストはあっという間に、夜の桐生の町へ。
飲み屋の前にマイクロバスや、機材車が、横付けされていた。監督を含むメ
インスタッフは、桐生出身のスタッフ岩脇伸和君の実家のお寿司屋さんへ。
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