6月19日(金)

ゴールデンコンビ誕生


多正行さん(写真右)と川俣克憲さん

09:00開始 S#49 & S#63 & S#64 & S#63-9 & 11 伊沢の部屋/S#85 花の洞窟
23:00撮影終了予定

今日で『伊沢の部屋』室内シーンは最終日。
ファーストカットは、寝ている伊沢(浅野さん)の、顔から部屋いっぱいまで、カメラが引いていくというショット。 そのため天井からカメラがワイヤーでつり下げられる。 それを、特機部の2人が上と下で介添えをしながら引き上げるという仕掛け。 その特機部の多正行さんと川俣克憲さん。仲が悪いとしか思えない。 若い助手の川俣さんが、技師の多さんに向かって「そんなの出来る分けないだろ」「今やってんだよ」と聞こえよがしに嫌みを言う。 「口ばっか動かしてないで手動かせよ!」と怒鳴る多さん。 今日もワイヤーでカメラを吊りながら、セットの下と上で大喧嘩が始まる。 手塚組は監督を筆頭に現場がものすごく静かである。 普通映画の撮影現場を引っ張っていくのはカメラマン、監督、助監督の順番。 しかし、カメラマンの藤澤さんはすごく静かな人。 監督もよけいなことは言わず、小声でしゃべる。助監督は、監督が静かな現場を目指しているのなら、と余計な声は出さず黙々と働く。
そんな中で、特機部二人の声は響きわたる。はらはらしてみているスタッフ。 遂にとあるスタッフが、恐る恐る本人達に聞くと、「これは2人の作戦なんだよ。大声で怒鳴りあってれば、俺らが何してるか、 現場全体が何準備してるかみんなに伝わるだろ?」と涼しい顔で答えたそうだ。 本当かな?
そして本日のメインイベント。銀河初登場シーンは伊沢の悪夢である。 メイクデザインの柘植さん、衣裳デザインの伊藤さんが、3時間かかりっきりで支度をする。 そして遂にスタッフの前に登場した橋本麗香は、まさに銀河だった。東洋のようで、幼いようで、成熟したような、怪しげな妖精。 日本映画ではかつて登場したことのないような、オスカーワイルドの『サロメ』を彷彿とさせるような姿。 4畳半の狭苦しい部屋で、不思議な悪夢を作るための仕掛けが始まる。 そのシーンは!是非映画でご覧ください。
そして、その悪夢の仕掛けのために遂にセットは壁ばかりでなく、柱を切って床を抜き出した。 もうほとんど解体作業。翌日はセットから押入だけ切り離して、複雑な仕掛けを撮影する予定。 次第に解体されていくセットを見ながら、前期撮影が終了していく寂しさを感じる。



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(C)Hakuchi Projects 1998