雷の気持ち
「腕と足だけ浮かび上がっているサヨ」を撮る準備
09:00 | 開始 S#104 & S#108 & S#96 & S#72-7 & S#61 伊沢の部屋 |
23:00 | 撮影終了予定 |
『伊沢の部屋』セット分の撮影時間は、残り3日。
幻想的な仕掛けや、複雑なカメラのカットが残っている。
今日の撮影分のS#108とS#96は同じ構図なのだが、S#108は夕景、S#96は夜の設定である。
しかもS#96の押入の中のサヨは『腕と足だけ浮かび上がっている』という表現。
ワンカット撮影するごとに、美術部がセットに駆け上がり、あっちの壁をはずし、こっちの壁をはずし。
照明部がよってたかって、違う時間帯の明かりを作り上げる。
撮影はカット数が少なくても、セットアップがバラバラであれば、より時間がかかる。
美術部・照明部ともに、運動会のような慌ただしさだった。
またもや照明の直しがすんで、S#72に入ったのは夕食後であった。
さすがにもう残り日数がなかったため、24:00終了めどで撮影続行。
撮影は、例のごとく深夜まで及ぶ。『廊下の窓から外をのぞく伊沢』本日の最終カット。
ライティングも終わり、最後の仕掛けが出来れば本番。窓に当たっている雷の光と、雨だれを作る。
雨を降らすには、カメラに写らない位置よりホースで水をまく。
特殊な仕掛け大好き助監督の山本透君が、自らホースを握るのだが、稲妻の明かりを邪魔してしまい位置が決まらない。
時間だけが過ぎていき、スタッフにいらいらが募り出す中、突然照明技師の安河内氏が、ライトをはずし出す。
照明部の助手が、慌てふためき抗議をするが、「いいんだよ。こんなライトすぐ準備できるから。はい、山本君好きなところから雨降らして」。
むすっとしている助手さんに。「雷はね。単調じゃだめだめ。」怒った助手さんが「じゃこのタイミングでいいですか!」と怒鳴ると「うーん。
雷の気持ちになることが大事だね。」周りのスタッフはそのやりとりを聞いて大爆笑。
浅野さんもおもわず笑ってました。結局大笑いに包まれて、深夜24:00終了。
このころには安河内氏は東映に泊まり込み。
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(C)Hakuchi Projects 1998