即席撮影部隊
09:00 | 開始 S#89&S#101 伊沢の部屋 |
12:00 | CGテスト撮影 3スタジオ 古賀班 澤井班 |
19:00 | 終了予定 |
いよいよ撮影は佳境に入ってきた。『シナリオ作りに息詰まった伊沢が嫌がるサヨを、
8mmカメラで無理矢理映そうとする』シーン。
4畳半の室内を追いかけっこする2人を追うため、2面の壁が取り外され、クレーンを
入れて、テストが何度も何度も繰り返された。
一方、今日は即席の別撮影隊が組織された。クライマックスの大空襲シーンと、手塚監
督の映像イメージを再現するため、この映画ではデジタル合成・CGカットなどが多用
された。
そのためのテスト撮影部隊。空襲シーンと特殊なイメージを受け持つ古賀班と、銀河の
大ミュージカルシーンと巨大な戦闘機をフルCGで作る澤井班。
日頃現場には来ないスタッフが続々と別スタジオに集まってくる。演出部からはチーフ
の僕、撮影部からはフォースの中澤健介さんと、本隊と掛け持ちでチーフの安田さん。
照明部からは堀直之さん、という寄せ集め部隊。合成用のブルーやグリーンの背景をセ
ットにつるし、銀河の代役の女優さんにステージ衣裳を着てもらい、勝手な芝居をつけ
ながら、本隊と関係ない気楽さから、本隊現場では見られない、和気あいあいの撮影で
した。
今は昔と違い、日本でも合成の多くがデジタル化している。一度フィルムで撮影、現像
したネガを、コンピュータで読みとる。そのデータをコンピューターの中で合成して、
もう一度コンピューターのデジタル信号からフィルムに、一コマ一コマ焼き付けていく。
だから、合成自体の質も大事だが、その前後のデジタル変換のクオリティが、出来上が
りの本当っぽさを左右する。
フィルムをデジタルに変換することをスキャニング、デジタル信号をフィルムに焼き付
けることをレコーディングと言う。
まあ、結果はビデオに関してはクオリティ以前にカット数が多くて、予算的にビデオを
使わざるをえない、という結論が先にでてしまい、テスト撮影はしたけれど、合成テス
トはしなかった。
ブルーのシートとグリーンのシートはどっちも同じくらいきれいに仕上がるということ。
なんだかなー。でも、そういう幾多の苦労の末、日本のSFX技術も進歩していくのだろう。
一方の本隊撮影は、緊張の連続。夜中までかかり『窓外の月』を撮り残し、タクシー送り
で家路に。
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(C)Hakuchi Projects 1998