1983年。ハルヲフォンなどで話題を呼んでいた鬼才アーティストの近田春夫は『星くず兄弟の伝説』というレコードを発表する。これは架空の映画のサウンドトラックというコンセプトのアルバムだった。学生映画で注目されていた手塚眞はテレビ番組で近田と出会って意気投合。アルバムは実際に映画化されることになる。

インディーズで活躍していた久保田シンゴ、高木完、戸川純の実妹・戸川京子を主役に、サンプラザ中野、デルジベットのISSAYら新進気鋭のアーティストが参加。そして尾崎紀世彦が出演し、オリジナルソングを披露したのも印象深かった。

さらに話題になったのは豪華すぎるゲスト出演者。タモリ、島田伸介、渡辺和博、景山民夫、高田文男、中島らも、モンキーパンチ、新井素子ら、各界著名人がわずかずつ出演していた。その後活躍するラッキイ池田が振付をするなど、ファッション、音楽、どれも当時の最先端TOKYOカルチャーの香りに満ちた作品で、マンガ家の岡崎京子が「大好きな映画」とラブコールを送るなど、各業界からの熱い支持があった。
20年後、DVDが発売されると新たな世代に密かなファンを増やし、当時熱狂していた若者たちは懐かしく語る機会が増えていた。

そして2015年。映画封切りからちょうど30年が経った・・・。