1999年11月13日(土)
初日舞台挨拶 渋谷シネパレスにて




秋晴れの快晴。この日、ついに「白痴」の初日を迎えました!!
早朝の会場前には、前夜からの徹夜組も含めた長蛇の列が出現。なぜならこの日は舞台挨拶のために手塚眞監督、浅野忠信さん、 甲田益也子さん、橋本麗香さんが顔をそろえたからなのです。
白いスーツ姿で登場した手塚監督は、会場を埋めつくした興奮さめやらぬ観客の前でやや緊張気味に「10年前に新しい映画を作ろう と思いこの「白痴」を作りました。その10年前に考えた映画が古くなってしまうのではと不安な部分があったのですが、映画祭での 反応などを見て、まだ新しい映画なのだと感じました」とコメントしていました。浅野さんは、スーツにニット帽という出で立ちで、 司会を努めた映画「白痴」の宣伝ウーマン、堀江可奈子さんの独特な堀江ワールドに翻弄されながらも、「白痴が完成し、公開できた ことを心から喜んでいます」といつもの通り淡々と語っていました。そして甲田さんは今回のために、なんと劇中でサヨが着用してい た着物を取り寄せ“サヨ”姿で登場。スタッフ共々そのサヨ姿にはジーンときてしまいました。橋本さんには、「かわいい〜!!」と いう歓声の嵐。皆さん、さっきまで映画で見ていたイジワル“銀河”と本物の麗香さんの可憐さとのギャップにちょっと驚かれてもい ました。
終映直後の舞台挨拶だけに、会場には観客の方々の熱気がいつまでも続いているように感じました。

渋谷シネパレスはかつてない熱気に包まれていた。

午前8時の渋谷シネパレス前。この行列は西武B館まで続いていました。





11月19日(金)
世紀末ヴィジュアル・セッション1999

『手塚眞の世界』(名古屋・グランド2)




11月27日からの「白痴」公開まであとわずか、の11月19日に東海地区での「白痴」緊急特別初上映会“世紀末ヴィジュアル・ セッション1999『手塚眞の世界』”が行われました。諸々の事情により直前に決まったイベントだっただけにお客さんが来てくれる か少し心配でもありましたが、ここでも大入り満員。
このイベントでは「白痴」の他に、「NARAKUE」「NUMANITE」の上映、また手塚眞監督のトークもありの充実度。約4時間半にも及ぶ長丁 場のイベントだったため、「おなかがすいたらお食事していただいて結構ですよ。ディナーショーの気分で進行します」と手塚監督。「白 痴」撮影秘話から、映画監督を目指す人へのアドバイスまで話が弾み、手塚監督にとっても会場に足を運んでくれた方々にとっても手応え のあったイベントだったのではないでしょうか。

11月27日(土)
初日舞台挨拶 大阪梅田ガーデンシネマにて

9月に行われた京都映画祭では、追加上映も行われるほどの盛り上がりを見せている関西地区。関東より2週間遅れでついに一般公開。 手塚監督が舞台挨拶に立ちました。
ここでも、立ち見が出るほど満員のお客様に迎えられて「内容が難しいというより、斬新な表現方法を試みてみました。なじまない人は戸 惑われるかもしれませんが、1回見て納得がいかなかったら、2回3回と見てみて下さい。必ず、何かを感じていただけると確信しています」 とリピーター奨励宣言。また、この日は手塚監督の最新作「実験映画」(永瀬正敏・橋本麗香主演)のチラシも配られていました。なんと、 来年のゴールデンウィークに、ここ梅田ガーデンシネマでの上映が決定したそうです。大阪の方はご存じだと思いますが、梅田ガーデンシネ マさんは広々とした空間で眺めも良く、とても素敵な映画館です。そんな映画館で2作品連続して上映していただけるとあって、手塚監督も 満面に笑みを浮かべていました。

11月28日(日)
新潟県松之山町特別上映会

新潟県松之山町は木枯の家の撮影を行った場所として、「白痴」関係者にはつとに有名な町。また、松之山の方々にとっても「白痴」は、 ただ坂口安吾原作の作品というだけではない特別な映画。
松之山町は新潟市から来るまで2時間近くかかる場所のため、特別出張上映を行ってまいりました。
会場は松之山町民会館。体育館にござを引き、座布団持参で集まってくれた方々。おそらく「白痴」史上最も平均年齢の高い上映会となりました。




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