5月22日(金) 晴れ
肝心のクレーンはどこ?
09:00 | リハーサル:伊沢の部屋(監督・浅野忠信・甲田益也子・助監督・記録・録音部・他) |
12:00 | 雑誌『FOCUS』現場取材リハーサル写真撮影&監督キャストインタビュー |
15:00 | 伊沢モノローグ録り |
新津・高島邸飾り込み&準備部隊 | |
09:00 | 室内飾り込み・窓外桜の木植え込み・隣家の板壁一部立て込み(美術・装飾部) |
13:00 | 機材降ろし・室内天井に噛ませ用小割組み付け(照明部) |
15:00 | 段取り打ち合わせ(撮影部・特機部・製作担当・チーフ助監督) |
18:00 | 終了 |
初日をスムーズに終わらせるため、美術以外の技術班(やる気満々の撮影・照明・特機部)も突如、前日仕込みとなった。ところが、これが大問題に発展する。
照明部の準備が膨大なのだ。当初機材だけおろすという話が、4t車から電源車・ハイライダーまで出発し、その日中にライティングテストまでするという。
問題なのはロケ場所であった。狭いのだ。新津駅前の商店街の一角にある高島邸は、場所柄細い路地に面していた。映画の撮影隊は膨大な車両体制でやってく
るので、当然当日の駐車や搬入の段取りはついていたのだが、何気なく始まった前日の仕込みには、それ程の体制をとっていなかったのだ。
撮影の初日のため、2カットだけの予定。しかし、カメラをクレーンに載せた、複雑な移動ショット。撮影部はどうせ準備するなら"肝心のクレーン"を置いて
みる。クレーンを置くならカメラも置いてみる、照明部はカメラが置かれるならライトもつってみる。ライトをつるならつけてみる。そのためには電源車もい
る。ライティングには道路にハイライダーを置かなければならない。ということだった。
高島邸の前では制作部総出で道路の交通整理に追われている。建物のまわり中、美術やら照明機材がしこたまおろされていた。家の中ではカメラマンの藤沢氏
と撮影部チーフの安田圭氏、照明の安河内央之氏、特機の多正行氏らが部屋の中で腕組みをしてじっと舞台を見つめている。まさに撮影初日のよう。結局その
日は4時間近くかけてセッティング。しかし"肝心のクレーン"はセットされなかった。
ようやく明日クランクインできる、多分。そんな夜だった。
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(C)Hakuchi Projects 1998